
第69回 97.09.15くらい 『演歌と北国の関係』
眼の前が真っ暗になりました。
今日の朝食は、カニ鍋でした。朝からカニだなんて贅沢だわ。でも、バチが当たったんでしょうか。いざカニを煮ようとした瞬間、突然目が見えなくなってしまったのです。これでは、カニを煮ることができません。どうしましょう。
ハッ! よく考えたら、わたしったら目を閉じていましたわ。これでは、何も見えないのも当たり前です。というよりも、カニ鍋の夢を見ながら居眠りをしていたようです。しかも、電車の中で。「次は田無〜」なんていうアナウンスが聞こえて、ハッと目がさめました。
目を閉じてカニも煮えず、田無市で目を開ければ
もちろん、朝からカニ鍋など食べるはずがありません。それにしてもカニの夢を見るなんて、わたしったらよっぽどカニが食べたいのに違いありません。そう思うといても立ってもいられませんでした。カニと言えば北海道。早速、その足で札幌に向かっていたのです。
札幌に着いたのはいいけれど、よく考えたら、大変なことに気がついてしまいました。わたし、独りで来てしまったのです。若い女がお店で独りカニを黙々と食べているのは、あまりみっともいい姿ではありません。誰か男の人が声をかけてくれないかなあ。そして、カニ料理屋さんに連れていってくれないかなあ。
そう思って、大通公園をブラブラしてみましたけど、誰も声をかけてくれません。まったく、わたしってそんなに魅力が無いのかしら。それとも、この街の人は、みんなホモなんじゃないかしら。そういえば、こんな噂を聞いたことがあります。
北の街では、モーホー
途中、お土産物屋さんに入った時です。時計台のかわいいミニチュアが置いていました。完成品と組み立てキットの2種類おいていました。自分で作った方が愛着がわくかなと思ってキットの方を手に取って見ていました。しかし、お店の人は、完成品の方を勧めてくれました。お店の人が言うには、キットの方は、なぜだか時計が狂いやすいとのことです。
キット買えって、狂うんだと
結局、完成品の方を買いました。もうひとつ、店員さんのお勧めでTシャツも買いました。赤い色のTシャツです。最初は黄色い方を買おうとしたんだけど、店員さんが黄色いのは頭が悪そうに見えるからやめた方が良いというのです。たしかに黄色い服では、まるで与作のようです。
与作は黄色着る
店員さんをよく見ると、どこかで見たような顔をしていました。昔、売れていた歌手です。たしか、「世界は二人のために」とか歌っていた人です。今はすっかりテレビで見かけなくなってしまったと思っていたら、こんなところで働いていたのでしょうか?
名札には「佐良直美」と書いていました。そうです。たしか、そんな名前の人でした。もしかして、本人なのかしら?
思い切って尋ねてみました。でも、店員さんは、別人とのことを言いました。名札の名前は、あんまりにも良く似ているので、その気になってこうしているとのことでした。
フカシの名前で出ています
話しているうちに、店員さんとわたしは、すっかり意気投合してしまいました。そして、カニが食べたくてここに来たことを話したら、良い店に連れていってくれるというのです。地元の人が連れて行ってくれるのならば、きっと美味しい店に違いありません。わたしは、すっかり舞い上がってしまいました。
上機嫌でカニを食べていたら、段々気持ち良くなってきました。酔ってきたようです。そして、彼女の顔を見た時、胸がキュンとなりました。どうやら恋をしてしまったようです。でも彼女は女です。これではレズではないですか。
北の佐良直美には、女を酔わせる恋がある
気が付いた時には、もう遅すぎました。わたしは、すっかり彼女の虜になり、体の自由がまったく効きません。彼女の言うまま、まるでリモコンで操られているかのように体を動かしていました。それもそのはず、いつの間にか背中にリモコンのコードが取り付けれていました。そして、コントローラは彼女の手に。
そして、一夜が過ぎて翌朝。別れ際に彼女は、わたしを手放したくないと言っていました。しかし、わたしは東京に戻らなくてはなりません。彼女は、せめてこのリモコンのコードが東京まで伸びてくれたならなんて言っていました。
首都に敷かれりゃお前のコードを都市の離れたリモートと
空港で、わたし達は別れのキスをしました。周りには同じようにキスをしているカップルでいっぱいでした。それも、レズのカップルもホモのカップルもいました。ホモのカップルはちょっと邪魔で、こちらにぶつかってくるのです。避けるのに大変でした。
レズ、キッス、ホモよけて
一夜の思い出ですわ。
というわけで、今日の分はおしまいだ。では、また会う日まで。
↑これは日記猿人のなんたらボタンである。
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